「毛越寺」



毛越寺庭園について

毛越寺は、東北地方で中尊寺と共に平安時代を代表する寺院である。「吾妻鑑」によると、藤原基衡の建立とされ、そうすると、保安二年(1121)から保延七年(1141)の間に建立されたことになる。庭園の作者は不明であるが、いたるところに作庭記流の意匠が見られることから、作庭記に精通した者の意匠であることが伺える。広大な池泉を中心として作庭されており、中島が二島、池泉の東南岸に一ヶ所、南側に三ヶ所の出島が作られている。大きい方の中島のほぼ正面に圓隆寺金堂址があり、鐘楼址と鼓樓址がある。作庭当初においては、中島から南大門に反り橋を架けてつないでいたという記述があり、このことから寝殿造りの意匠であることがわかる。巨大な立石のある中島は亀島であると思われる。この立石の手法は、少し傾斜させて据えられており、須弥山石組のようでもある。平安時代の庭園遺構の殆どが、石組保存されていないことを考えると、この毛越寺の庭園は、平安期の意匠がよく保存されており、一見する価値のある庭園である。



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亀島石組





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亀島石組局部





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亀島、出島石組





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全体的に優美な曲線を持った池泉





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州浜形出島付近石組





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州浜形出島、石組局部








所在地岩手県平泉町字大沢
社寺名医王山毛越寺(天台宗)
作庭年代平安時代
様 式池泉庭園
庭園名毛越寺庭園


*毛越寺庭園は一般公開しております。

お問い合わせ先:0191-46-2331(毛越寺事務所)







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