奇


 20代の女性から(海外在住)

それは、私がまだかなり幼い頃に頻繁に見た夢です。 
そこは、私が生まれて18歳まで育った日本の実家です。
幼い私は階段の一番上から、下を見下ろしています。まっすぐで
15段くらいのその階段は、降りたところが突き当たりになって
いて、向か って左に行くと古い家の方の廊下に続いています。
私の家は昭和になってから新しく増築した家と、江戸時代後期か
らある古い家が繋がっています。

私が居る階段は新しい家の階段です。階段を登り切った所から下
を見ても古い家の廊下は見えないのですが・・・とにかく私は階
段を登り切ったところから、ただ、じっと下を見下ろしているの
です。(階段の下はとても暗い)
ところがその階段を降りたところの左に抜ける方、つまり、古い
家の廊下に続いていく方向からぼうっと赤い灯りが差し込んでい
るのです。そこで私はなぜか、「あ、神社の鳥居があるんだ」
または「 あ、お稲荷さんがあるんだ」と、夢の中で思うのです。
それのどちらが正しいのか、どちらを思ったのか、それはさすが
に記憶が霞んでいてはっきりとは覚えていません。
ただ、おそらくその灯りがそういったものを思わせるような、ぼ
うっとした不思議な灯りだったのです。
幼い私は、「こわい」と感じて、階段を降りようとはしません。
私はとても臆病な子供だったのです。

・・・そうして、目が覚めるのです。 それだけの夢なのですが。
・・・その同じ夢を何度も見たのです。子供の頃の私にとって、
古いほうの家屋は神秘的で、なにか恐ろしいような、そんなもの
だったかもしれません。
確かに夜、真っ暗な廊下は恐ろしくて歩きたくなかったり、障子
の向こうの暗闇は出来るだけ見ないようにしたりしていました。
その廊下を歩いていて「こわい」と思う夢も見たりしましたが、
それらの夢と、この階段の夢はどこか違うような気がするのです。
ただ「こわい」という潜在意識から見た夢と、この階段の夢はど
うも同じ種類の夢には思えません・・・。 
実は、日本を出て何年かたったある日、またこの夢を見たと思い
ます・・・さすがに 驚きましたが・・・。

   眠り男のコメント

   私の経験でも、夢の中の右側と左側は重要な意味があるよ
   うです。 
   右側(実家の新しい家)はあなたの未来、左側(古い家)
   はあなたの過去を含め、異界(霊界など)へ赴く可能性を
   暗示していたように思います。左側を選択し、そこに降り
   ていった場合は、あなた自身の身に災難や病気が降りかか
   り、へたをすれば死にいたっていたのかもしれません。
   もちろんすべての夢がそうではありませんが、このような
   状況でない夢でも、左右に別れた道、線路など、明と暗く
   らいはっきりした意味があります。
   健康状態や生活状況の極端な変化を暗示している場合が多
   くあります。 

   海外で落ち着き、再びその夢を見たのは、この夢の場合、
   あなたを守ってくれる見えない存在が、あなたにとってあ
   る転機が訪れることを教えてくれていたように思います。
   あなたは確実に新しい未来へ向かっているのです。