夢のコントロールについて・その3                  

もっとも簡単にできる夢のイメージの操作方法をお話しします。
それは夢の続きを見ることです。

その日に見た夢を、寝る前にもう一度思い出し眠りに就きます。
複式呼吸で体をリラックスさせ、リアルに夢を再現し、普段より早い時間に布団に入
るのが効果的です。
寝る時は、心臓が上になるようにして横を向いて(右向きに)寝ます。仰向けでは効
果がありません。
複式呼吸をおこないます。吸うことを意識せず、ゆっくり吐くことに意識を集中させ
ます。呼吸は「吸う」のではなく「吐くこと」に重点を置いた呼吸法です。(いろい
ろな本にリラクゼーションのための呼吸法が書いてあるので、書店や図書館で探して
みてください)

その時に、今朝見た夢をリアルに思い出すようにします。
印象的なイメージを思い出したら、そのイメージだけに集中します。その部分の細部
をリアルに再現できるまで何度もイメージしてください。
そして、おまじないの言葉を10回ほど繰り返し唱えます。
「どうかもう一度○○○を見せてください。」自己暗示をかけていきます。
(○○○は見たいイメージや対象。)

望んだイメージを夢で見るのは、寝る前に好きな人の写真を見たり、関心の高い映像
を見たり、心理的な暗示をかけ、そのイメージを自分の心の中に固定させます。
巷の「夢のおまじない」はすべて同じ原理です。
自分でその方法を工夫すれば、さらに効果があがります。

さて、このような「夢の操作」はあくまで、あらかじめ望んだ通りのイメージを見る
方法です。
しかし、実際に夢を見ている最中に、その世界を自由にながめたり、そこで望んだイ
メージを見たり、心のおもむくままに行動できるものではありません。
文字どおりの「夢の操作」というのは、自覚夢、明晰夢(めいせきむ)を見ることで
す。
これは本当に、自分の夢の世界をコントロールできる現象なのです。

「明晰夢」つまり明晰な自覚夢というは、夢を見ているのに、すでに夢の世界にいる
ことに気がついていて、目覚めているときのような意識をもちながら、その夢のイメ
ージの中を自由自在に行動できる状態です。鮮明で独特の印象をもっています。
それは実際に正夢やデジャビュを見たときの印象や驚きに近く、普通の夢では経験で
きないイメージ、鮮烈でたとえようのない感覚です。
現実にもどろうと思えば、いつでも自分の意志で目覚めることができます。
急に起こされたり、金縛りや入眠時幻覚を見たときのように、心臓がどきどきするこ
とはまったくなく、目覚めた瞬間にはすっきりしたような壮快感があります。

このような自覚夢は、多くは子供の頃、もちろん今でも、誰もが経験しているものな
のです。
夢の中で飛ぶ練習をしていたり、家のまわりを飛んでいたり、誰もいない町を自分の
意志で好き勝手に歩いているような夢を見たことがあると思います。また、夢の中で
「これは夢だ」と気がついてすぐに目覚める経験があると思います。
忘れているだけで、本当は誰もが経験しているものなのです。
もちろん、その感覚をよく覚えている人は、成長して大人になっても自覚夢をよく見
ることがあります。

自覚夢は誰でも見ることができます。また、誰もがどこかで経験しているはずの夢で
す。しかし、そういった感覚を思い出すには、今以上に夢とのコミュニケーションを
深くしなければなりません。
思い立ったときにいつでも自覚夢を見れるようになるには、「夢だと気がつくキーに
なるイメージ」を自分であらかじめ用意する必要があります。ある程度の準備と練習
が必要になります。少し難しいので、機会があったら公開したいと思います。