『まにゃ』の観察記1

 ・平成7年8月×日(約3ヶ月)
 ・平成7年9月×日(約4ヶ月)
 ・平成7年10月×日(約5ヶ月)
 ・平成7年12月×日(約7ヶ月)
 ・平成8年4月×日(約11ヶ月)
 ・平成8年4月23日(約11ヶ月)
 ・平成8年5月1日(約12ヶ月)
 ・平成8年5月12日(12ヶ月)

 ・『まにゃ』の観察記2(1歳0ヶ月〜1歳12ヶ月)
 ・『まにゃ』の観察記3(2歳0ヶ月〜2歳12ヶ月)
 ・『まにゃ』の観察記4(3歳0ヶ月〜)


平成7年8月×日(約3ヶ月)
『まにゃ』が指吸いを始めた。それも右手の中指と人差し指を妙にお気に入りである。 と同時に変な癖もついてきた。横を向いた状態でえびぞりになるのである。それも大人ではとても 出来ないほど思いっきり反るのである。特に寝付く際にこの体勢に入り、そのまま寝付くのである。
これは心配である。
まだ体が出来上がっていないのにこんな体勢を続けて、体が曲がってしまったらどうしよう・・
『まにゃ』がえびぞり状態で寝付いてから、無理矢理正常な形に戻そうとしてみたがすぐに元の体勢に 戻ってしまう。
逆になかなか寝付かないとき、わざと横を向かせえびぞり体勢を作ってやるとあっさりと寝てくれる。
「こりゃ便利だ!」
と一時期考えたがこんな事は言っていられない。
3ヶ月検診の際、ママがお医者さんにこの事を相談した。それによると、どうやらこの体勢は、 『まにゃ』が自分で確立した「睡眠儀式」と言う物らしい。この体勢に自分で持っていくことにより 安心して寝に入れるというパターンを自分で作ったと言うことである。
「ほほう。そいつは感心な事だ。」
と感心している場合ではない。あの格好は決して楽な姿勢では無いはずである。ママは体勢そのものの 弊害について聞いてみた所、次のような回答だったという。
「ハッハ!大丈夫。本人も痛かったらしませんよ。」
・・・なんだか納得。
平成7年9月×日(約4ヶ月)
『まにゃ』がえびそりの体勢でギャンギャン泣いている。
何か悔しくてしょうがないような泣き方である。右手は体の下、左手を前後にぶんぶん振っている。 パパとママはじっとその様子を見守っていた。
とその時、手の反動と足の反動のタイミングがうまく合い、クルッと寝返りをうった。 初めての自力での寝返りであった。『まにゃ』はびっくりしたような顔をしてピタッと泣きやみ、 パパとママの方を見つめた。
そして『まにゃ』は満足そうに満面の笑みをうかべた。
「えらい!(パチパチ)」
平成7年10月×日(約5ヶ月)
『まにゃ』がいきなりパパを指さした。
「何だ?こいつ?」
寝せようと抱っこしていた時の話である。真剣な眼差しで人差し指をこちらに向けている。 何か言いたいことでもあるのだろうか?そう思いそっと顔を近づけて行った。よく見ると指先を パパの口に向けていることに気が付いた。何だろう?気になる。
目はじっとパパの方を見ている。真剣な眼差し。
もう少し顔を近づけて見た。すると、ゆっくりと小さな人差し指を口の中に入れてきた。
何だ?何だ?
するといきなり口の中で指をクイッと折り曲げた。小さい指はいきなり下唇に突き刺さった。
「いてっ!」
あとでママに聞いたら、前の日にママもやられたらしい・・・
平成7年12月×日(約7ヶ月)
最近、はいはいしている最中に、おしりを高く持ち上げる事が多くなった。 最初何を意味しているのか全く分からなかった。なにせ、いきなりおしりを上げたかと 思うと、いきなりごろんと前転するのである。
その理由がようやくわかった。
こいつ、その場に立とうとしているのである。 ちと早すぎはしないか?
まだ足もしっかりしていないし、バランスも取れていないはずなので、その場に立つのは 不可能なのに・・
しばらくその様子を注意深く観察を続けると、どうやら何かに捕まれば立ち上がれることに 気が付いたらしい。
最初はパパやママの膝に手をついて立ち上がり、次に机に手をつき立ち上がった。
何も教えないのに自分で考え実行し覚えていく、子供の能力とは大した物である。
平成8年1月×日(約8ヶ月)
立ち上がってからの進歩の早さは驚くほどである。
物につかまりながら歩き出すのにそう時間はかからなかった。どうも子供は、自分が出来ると 思っている事と、実際に出来る事とのギャップに気が付いていないらしい。 もしかしたらそれに気が付いたとき、人間の成長はストップするのでは無いだろうか?
『まにゃ』が初めてつかまり立ちをした時、いきなり机につかまりながらママに向かって 歩きだそうとした。
思わずさけんでしまった。
「来なくていい!!」
平成8年4月×日(約11ヶ月)
珍しく朝方『まにゃ』が泣いた。眠い目をこすりながらママが起き、『まにゃ』を ベビーベッドから自分のベッドに移動した。そこまでは何となく覚えているが、 その後自分はすぐにまた寝ついてしまった。
それからどれぐらいたったか・・。何か聞こえてくる。
「ダーダッ。ダーダッ。ダーダッ。ダーダッ。」
どうやら『まにゃ』がこっちに向かってはってきているようだ。ママは完全に熟睡していて 全く気が付いていない。ここで『まにゃ』と目があったら大変である。息をこらえて じっと寝たふりを続けた。
「ダーダッ!。ダーダッ!。ダーダッ!。ダーダッ!。」
だんだん声が大きくなってきた。どうやら耳元までたどり着いたようである。と、いきなり 顔の上に乗ってきた。「いてっ!」膝蹴りを数発かまされた。
『まにゃ』は顔の上を通過して、枕元にある小物をさわり始めた。
「やばい!眼鏡だけはまもらないと!」
『まにゃ』に気づかれないようそっと眼鏡だけとりあえず移動した。と、いきなり立ち上がって、 二段重ねになっているぬいぐるみの、上の段のやつの頭をペシペシたたき始めた。
と、今度はいきなり髪の毛の上にしりもちを付いた。どしん!「いてっ!」
今度は物入れの小箱を取り出し、上下にぶんぶん振り回し始めた。
「頼むから箱の角をぶつけないでくれよ!」
こんな事を延々30分続けた後、『まにゃ』はまた顔の上を通過して今度はママの方に 戻っていった。
「ダーダッ。ダーダッ。ダーダッ。ダーダッ。」
「やたっ!あとはママにまかせて寝てしまえ」
その後はどうなったのかはわからない。いつもの時間に目覚ましで起き、ふっとママの方を 見てみると、『まにゃ』はママの布団にしっかりもぐり込みぬくぬくと寝息をたてておねんねに なっていらした。
どうやらいっぱい遊んだので満足して再度寝に付いたらしい・・
平成8年4月23日(約11ヶ月)
 『まにゃ』の生息地「茶の間7.5畳」の中央には高さ36cmの机がある。
 現在の『まにゃ』にとって、ちょっとした踏み台(パパのひざとかオムツ入れのかご)があれば 何のためらいもなく登れる高さになっていた。が、とうとう自力で登り始めてしまった。
 この試みは昨日の夜から始められ、昨日の段階で成功率30%。そしてとうとう一晩にして100%の 成功率を示すようになってしまった。(最大の目的は、パパの新聞をクチャクチャにするためであるが・・)
 しかし、何で子供は人が見ている本の上や新聞の上が好きなんだろう・・
平成8年5月1日(約12ヶ月)
 今日『まにゃ』と「ゴジラ」を見に行った。
別に『まにゃ』が行きたいと行ったわけではない。パパとママの趣味である。
会場に着いたとたん不安がよぎった。
「・・やばい・・。泣くかもしれない・・・」
入り口では巨大なゴジラが見物客を見下ろしており、会場の中からはすさまじい音量のゴジラのなき声が 聞こえてくる。
会場の中はもちろん真っ暗。
「だめだ!泣き出すための舞台は完璧にそろっている!」
と、心配していたのは親ばかり。
『まにゃ』は全然無関心。何か気が抜けたようである。
ま、考えて見れば、まだ怖い物の認識がちゃんと出来ていない時期でもある。別におそってくるわけでもないし、 きっと『まにゃ』にとって、”ちょっとうるさいかな”程度の事にしか感じていないのであろう。
同年代の子供同士で見てみると、男の子の方が恐がりの様に思える。きっと男の子は、人形のゴジラが本当に 動き出し、おそってくる姿が見えるのであろう。 やはり男は子供の頃から夢を見、女は子供の頃から現実を見つめる物なのであろうか・・
『まにゃ』は今、いったい何を考えているのであろうか・・
(きっとお昼の"まんま"の事に違いない!)
平成8年5月12日(12ヶ月)
 今日『まにゃ』の(2日早い)1才のお誕生パーティーを開いた。いとこの「シーちゃん」が18日の 誕生日なので、『まにゃ』と一緒のお祝いである。
この日おもしろい事を発見した。『まにゃ』がやきもちをやいたのである。
「シーちゃん」をおんぶして遊んでいたら、『まにゃ』が急にワーッと叫びながら走り寄り、パパの足にしがみ ついた。そしてだっこをせがみ出したのだ。
初めてのリアクションである。何せ今までこのようなシチュエーションが無かったからである。
感情的には、もうすでに立派な子供になっていたのである。
感動である。
すかさず「シーちゃん」を置き、すぐに『まにゃ』を抱っこしたのは言うまでもない。

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