『まにゃ』の観察記3

 ・ 平成9年5月14日(2才0ヶ月) 今日で2歳
 ・ 平成9年7月×日(2才×ヶ月) 『まにゃ』にからかわれる
 ・ 平成9年9月21日(2才4ヶ月) 『まにゃ』を怒れず
 ・ 平成9年9月22日(2才4ヶ月) 『まにゃ』とミカン
 ・ 平成9年10月×日(2才5ヶ月) 納得娘
 ・ 平成9年10月×日(2才5ヶ月) 探す娘
 ・ 平成9年10月×日(2才5ヶ月) 引っ張る娘
 ・ 平成9年10月13日(2才5ヶ月) 無邪気な娘
 ・ 平成9年11月×日(2才×ヶ月) 『まにゃ』ちゃん泣いちゃったの
 ・ 平成9年12月21日(2才7ヶ月) 『まにゃ』ちゃん、もっと静かに

 ・『まにゃ』の観察記1(0歳0ヶ月〜0歳12ヶ月)
 ・『まにゃ』の観察記2(1歳0ヶ月〜1歳12ヶ月)
 ・『まにゃ』の観察記4(3歳0ヶ月〜)


平成9年5月14日(2才0ヶ月)
 今日で2歳

「まにゃ」も2歳になった。2年前は寝返り一つが大事件であったのに、今では毎日何か出来るようになるので、とてもまめに記録に留めておけなくなってきた。
これではまずいので、とりあえずここ最近の主な変化をまとめてみると・・

  1. 人を呼ぶとき、以前は「にゃにゃ!!」で済ませていたのが、最近では、「パパパパパパパパパパパ!!」と 言いながら肩や頭をペシペシたたいて呼ぶようになった。
  2. 障子やドアを開けることが出来なかったのが、今ではすべてのドアを開けられるようになった。特にパパがト イレに入るのを密かにねらっており、何が見たいのか分からないが油断できなくなった。
  3. 泣くときの演技がうまくなった。以前はうずくまって泣くだけであったが、最近は片手を力無く突き出した状 態で泣いてる時もある。
  4. 音楽に合わせての踊り方が派手になった。特に SPEED や PUFFY の様な踊りは実にそれらしい。
  5. 以前はどこまで話を理解しているのか分からなかったが、最近は、自分の分からない単語が出てくると「ん? 」と聞き返すようになった。
  6. パパに馬をせがむようになった。これが疲れる。
  7. 呼んでとせがむ本が「ノンタン」や「こぐまちゃん」から「ちいさいモモちゃん」シリーズに変わった。文章 が多く読むのが疲れるのだ。
  8. 都合の悪い事はすぐに忘れ(もしくは聞こえないふりをする)、自分に都合のいいことはしっかり覚えている 様になった。先日、適当にごまかしたつもりだったのが、「昨日約束したでしょう!」とでもいわんばかりに、小 指をつきだし約束を守らされた。
  9. カメラを構えると、すかさずフレームに収まり、ピースサインを出すようになった。
  10. 自分のことを「まな」と言うようになった。

これらはほんの一部であるが、だんだん人間らしくなってくるのが妙にうれしく、でもなんだかほんの少し、寂しくなっていくような気がするのであった。
平成9年7月×日(2才×ヶ月)
 『まにゃ』にからかわれる

 『まにゃ』は、車の灰皿に入れてもらう消臭ビーズが大好き。
ママの車に乗ると、必ず「ボール!ボール!」と要求し握りしめると言うのだ。
ある日の事、いつも通り『まにゃ』は消臭ビーズを握りしめていたらしい。
ママが何気なく『まにゃ』を見てみると、なにやら口をもぐもぐと動かしていたそうな。
もしやビーズ?焦ったママは『まにゃ』に向かって叫んだ。
「お口に何か入っているの?それは食べられないよ!ペッしなさい!」
すると『まにゃ』、にっこり笑い小首をかしげて
「プ?」
ママ「ペッ!」
まにゃ「プ?」
ママ「ペッよペッ!」
まにゃ「パ?」
思わずママ爆笑。
結局『まにゃ』の口の中には何もなく、助手席のフロアマットの上には、もてあそばれた消臭ビーズたちが散乱していくのであった。
そしてもてあそばれたのがもう一人・・・

平成9年9月21日(2才4ヶ月)
 『まにゃ』を怒れず

 ある日の夜、おばーちゃんの家で夕食を食べていた時の事。
『まにゃ』が机の周りをぐるぐると走るまわっている。
大勢でご飯を食べるのが嬉しくてしょうがないのだ。
口にいっぱい食べ物を詰め込んで、もぐもぐしながら走り回っている。これはちょっと行儀がよろしくない。
ママが『まにゃ』に一言注意をする。
「『まにゃ』!!お口に物をいれたまま走り回るのはやめなさい!!」
すると『まにゃ』、ピタッと走るのをやめ、ママの所にトコトコやってきた。
そして、いきなりママの手に、口に入れていた物をペッと吐き出した。
そして彼女はこう聞いてきた。
「走ってもいい?」
・・・・・
間違いはないので・・
「はい」
と答えるしか無かった。
すると『まにゃ』、またタタタタと机の周りを走り出したのであった。

平成9年9月22日(2才4ヶ月)
 『まにゃ』とミカン

 『まにゃ』が御飯も食べずに遊んでいる。
いつもの光景なのだが、ちょっと頭に来たので強攻策に出ることにした。
「『まにゃ』御飯食べないんだったら持って行っちゃうよ!」
それでも『まにゃ』、無視し遊び続けている。それならこっちにも考えがある。
「『まにゃ』!、ちゃんと御飯食べないと、食後のフルーツ無しだよ!」
やはり無視し続け遊んでいる。 完全に頭に来たので本当に片付け始めた。通常ここまですると泣いて謝り御飯を食べるのだが、 今日は追いかけもしない。
よって今日はフルーツ無しである。
『まにゃ』の目の前にデン!とミカンを置き、ママと二人でおもむろに食べ始めた。
当然・・
「まなちゃんも!まなちゃんも!」
と寄ってくる。
ここできつい一言。
「『まにゃ』、ちゃんと御飯食べなかったじゃない。御飯食べなかった子にはフルーツ無しだよ。」
それでも無理矢理取ろうとする。
「まなちゃんも!まなちゃんも!ミカン!ミカン!」
パパとママはそれを無視し続ける。
『まにゃ』はとうとう半べそ状態であきらめた。
「まなちゃん寝る!!」
そう捨てぜりふを吐き座布団にうずくまった。
作戦は成功、でもちょっとかわいそうになったので、パパとママ、ミカンを食べ終わった後、『まにゃ』に優しくこう聞いた。
「ねっ!分かったでしょう?ちゃんと御飯食べないとフルーツだって食らべれないのよ。」
そして、もう一度チャンスを与えた。
「じゃ、明日からちゃんと御飯食べる?食べるって約束できたらミカン上げるよ。」
すると『まにゃ』、
「やだっ!!」
・・・・
これは何を言っても無駄である。今日は本当にフルーツ抜きにすることにした。

しばらくして何気なく『まにゃ』を見ると机の下から顔を半分のぞかせ、じっとこちらを見ているではないか。
そしてこの一言・・
「ミカンおいしかった?」

平成9年10月×日(2才5ヶ月)
 納得娘

パパが新聞を読んでいた時の事である。
『まにゃ』がトコトコとパパの所にやってきた。
じゃまされるのかなと、警戒していたら、ちょこんとパパの隣に座り込み
新聞を読み始めた。
正確にはおもちゃ屋さんのチラシであるが・・
パパはその様子をさりげなく横目で眺めていた。
『まにゃ』は真剣な顔で、すみからすみまでチラシを眺めていた。

すると突然状態を起こし、大きくうなずいた。
「あっ、そうか!おんなじなんだ・・・!」
そうつぶやくと、すっくと立ち上がり、またトコトコと歩いてどっかに
行ってしまった。

いったい彼女は何を納得したのだろうか・・・・?

平成9年10月×日(2才5ヶ月)
 探す娘

『まにゃ』が部屋の中をうろうろしている。
何かを探しているようだが・・・
しばらくすると、『まにゃ』どこからかクッキーの空き缶を引っぱり出して来た。
そしてその場に立てたのだ。
??何をするのだろう??
すると『まにゃ』、その空き缶にゆっくりと腰を下ろした。
??なんだ??トイレの練習でもしているのか??
『まにゃ』しばらくその姿勢で考え込んでいたが、どうやら気に入らなかったらしい。
すっくと立ち上がり、後ろ足でポーンとその缶を蹴り飛ばしてしまった。
また『まにゃ』が部屋の中をうろうろし始めた。
すると『まにゃ』、こんどはおもちゃの山の中から箱形のおもちゃを取り出した。
ずいぶん前に遊んでいた、丸や四角、三角形のブロックを、箱の壁の同じ形の隙間から
中に落とすおもちゃである。
またまた『まにゃ』、同じようにそのおもちゃにゆっくりと腰を下ろした。
今度は気に入ったらしくにっこり微笑んだ。

『まにゃ』はそのおもちゃをテーブルの側まで持って行き、ついでに紙と色鉛筆を
持ってきた。
そしておもむろにその箱のおもちゃに腰をかけ、お絵かきを始めたのだった。

「あっ・そう・・。いすを探していたわけね・・・・・」

平成9年10月×日(2才5ヶ月)
 引っ張る娘

最近のマツダ車の宣伝で、『まにゃ』の大好きな物がある。
広い室内を売りにした車の宣伝で、車内でピザを取りあうシーンのあるやつがそう。
このシーンになると
「ひっぱって!ひっぱって!」
と声を出しながら、あたかも綱引きでもやっているかのように、腰を落として引っ張る
真似をするのである。
見ていて実におもしろい。

ある日、またこのCMが始まった時の事。
イントロにピクッと反応した『まにゃ』、タタタとテレビの前に駆け出して大きく
仁王立ちになり問題のシーンを待っている。
気合いも十分!
そして出たのがこの一言・・
「よーし!ひっぱるぞ−!!」
・・・・

はいはい。
がんばって引っ張ってくれ!

平成9年10月13日(2才5ヶ月)
 無邪気な娘

先日幕張メッセで行われたエレクトロニクスショーを見に行ってきた。
その帰りに人だかりが出来ている場所があったので、ちょっと覗いてみた。
するとそこでは、おもちゃの路上販売をしていたのである。おもちゃというのが 紙製の安っぽいピエロ人形なのであるが、なんとふらふらと立って踊っているではないか。 それだけではなく客の声に合わせて、寝たりジャンプしたりするのだ。
人形の上には糸らしき物はまったく見あたらない。
うーん全然仕掛けが解らない。
これは良くできている。
種が知りたいのと、『まにゃ』を脅かしてやりたいのとで、つい¥1000も出して買ってしまった。 たかだかボール紙一枚の人形に・・・

それはともかく、話はここからである。

家に帰って早速『まにゃ』に見せることにした。
種は簡単、糸が人形の上ではなく、左右に付いているだけ。これならパパにも出来る。
「『まにゃ』見てごらん!」
振り向く『まにゃ』。
そして案の定大喜び。
ジャンプさせたり、寝かせたり、飛ばしたりと『まにゃ』の要求に応えて大忙し。
これだけ喜んでもらえると、¥1000も出して買ったかいがあったという物だ。
パパも嬉しくて一緒になって遊んだのであった。

が、1時間近くも遊ばれるとさすがのパパも疲れが出て来る。
「『まにゃ』ちゃん、そろそろお休みしよう!」
そう言っても
「やだ!もっと!もっと!ピョンして!ピョンして!」
と要求が帰ってくる。
リクエストに応えまたしばらく遊ぶが、やがてまた疲れが出てくる。
ここは強引に終わらないと永遠にやらされると判断。
「もうおしまいにしよう!また明日遊んであげるから。」
と、パパはそう言って人形を隣の部屋にかたずけてしまった。
「やだ!もっと!もっと!ピョンして!ピョンして!」
『まにゃ』は泣いてせがむがパパは疲れたので、今日はもうしないのだ!
『まにゃ』はあきらめきれず、隣の部屋に人形を取りに行ってしまった。

動かないからあきらめて帰ってくるかな?

そう思いながら待っていると『まにゃ』が帰ってきた。
そして手にはしっかり糸を持っている。
「えっ?・・・」
『まにゃ』はパパに人形と糸を手渡し
「これ引っ張って!引っ張って!ピョンして!ピョンして!」
とせがむのだ・・・・・

「あれっ?・・・・もしかして・・ばれてたのかな?」

側で見ていたママ爆笑。

そして、パパが引っ張ってくれないと解るや、『まにゃ』は自分で糸を引っ張り人形を ジャンプさせたり振り回したりと、さっさと一人で遊び始めたのだった。

『まにゃ』はこういう娘なのである・・・・・・・。
ちょっとは不思議がるとか、驚くとかしろよな。(プンプン!)

平成9年11月×日(2才×ヶ月)
 『まにゃ』ちゃん泣いちゃったの

『まにゃ』はお風呂が大好き。
でもシャンプーが大嫌い。
いつもシャンプーするのが一苦労である。
以前ハワイのホテルで頭からシャワーをかけられたのがよほど頭に来たようである。以来、顔に水滴がかかる事に異常なまでに過敏になってしまったのだ。これは不覚だった。
今では仰向けに寝かせられないので、立ったまま顔に水滴がかからないようにシャンプーしているのだ。 これは実に高等テクニックなのである。

さて今日は、出来ればやりたくないシャンプーの日である。
シャワーが顔にかかると泣き叫ぶので、細心の注意をはらってのシャンプーである。
大体最初は順調に行くのであるが、何せ相手は遊び回っているのである。それも下を向きながら。
もうそろそろ限界。下を向いた『まにゃ』の顔に流れたシャンプーと水滴が襲いかかる。
「パパ!目!」
(目に水が入ったから拭いて!と言う命令語)
2・3度拭いてはやるものの物理的に無理がある。
「まにゃ!上向きなさい。下向いてるとシャンプーできないよ!」
注意はするものの・・
「やだっ!!」
と、がんとして言うことを聞かないのである。
最初は我慢もしていたが、とうとうパパも切れてしまった。
頭からシャワーをザーっとかけ、タオルを洗面器に投げつけ・・
「もう『まにゃ』と遊んであげないよっ!」
と『まにゃ』を怒鳴りつけてしまった。
『まにゃ』はぎゃんぎゃん泣き、お風呂から上がってママに同情を求めていたのである。
「まにゃちゃん泣いちゃったの・・・・」

パパもそんな様子を見てちょっと反省。明日は優しくしてやろうと心に誓うのであった。

そして次の日、『まにゃ』はお風呂の中で遊びに夢中、風邪を引くからよーっく暖まるよう何度も注意するが、先日同様全く言う事を聞かない。
気の短いパパは今日も怒鳴りつけ「まにゃ」を泣かせてしまったのだ。
そして・・
「まにゃちゃん泣いちゃったの・・・・」
と今日もママに報告する『まにゃ』

うーん困った。
これではパパが『まにゃ』に遊んでもらえなくなるおそれがある。

次の日、先先日の反省をふまえ、終始にこにこお風呂に入れているパパがいた。
今度は完璧である。『まにゃ』もお風呂遊びを堪能し、気持ちよく出ていったのであった。
「よし。今日は完璧だ。」
喜んだパパ。今度はママに何と報告するのか、楽しみにドアの向こうに聞き耳を立てる。
すると・・・
「まにゃちゃん泣いちゃったの・・・・」
えっ?
あわててドアを開けると、そこには、もの悲しい目でママに訴える『まにゃ』がいた。
「嘘だ!無実だ!!」
あわてて否定するパパ・・

やられた・・・。演技だったんだ・・・・。

平成9年12月21日(2才7ヶ月)
 『まにゃ』ちゃん、もっと静かに

もうすぐクリスマス。
『まにゃ』を連れておもちゃ屋さん巡りである。
この時期、『まにゃ』には実は困った問題がある。
おもちゃ屋さんで、おもちゃを欲しいとねだった事がないのだ。これは嬉しいようで、この時期ちょっと寂しくもある。
『まにゃ』にとって、おもちゃ屋さんとは、楽しいおもちゃが沢山飾ってあって、展示されているサンプルで適当に遊べる場所なのである。
つまり欲しいおもちゃをその場から買ってくると言う認識が無いのだ。
いや、もしかしたら認識はあっても、単純に買ってまで欲しいという物が無いのかもしれない。
適当にサンプルで遊べればいいのだ。ましてやこの時期、どのおもちゃ屋さんも大量の製品サンプルを展示しているのだ。

さて、今日の『まにゃ』、何か欲しい物はないかとしきりに聞いては見るが、展示サンプルで遊ぶのに大忙しである。
事件はその時起きた。
一通り遊びまわり満足した『まにゃ』、さっさと玄関に向かって歩き始めたではないか。
そして大声で・・
「さっ、次のおもちゃ屋さんに行こうか!」
パパあわてて
「ここがおもちゃ屋さんだよ!」
と取り繕う。するとまた大声で、
「さっ、別のおもちゃ屋さんに行こうか!」
店員さんや周りのお客さんが、こちらを注目している。
パパは『まにゃ』を抱きかかえ、足早にお店を飛び出したのだった。
「『まにゃ』ちゃん、お店の中では、もっと静かにしてね」
『まにゃ』に言い聞かせ次のお店へ。

同じ事を繰り返し、また『まにゃ』を抱きかかえ、足早にお店を飛び出した事は言うまでもない。


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